【テックアカデミー・Unityコース】体験記

プログラミングスクール『テックアカデミー』のUnityコースを受講した体験談や、学習内容の紹介をしたいと思います。

その後の私【テックアカデミー・Unityコース体験記 ⑯】_TECHACADEMY Unity

※注意:

私がこのコースを受講したのは2019年4月頃です。

執筆しているのは2021年6月ですが、コースの内容は当時とは内容が変わっている可能性があるので注意してください。

 

この記事をご覧いただきありがとうございます。

カバかもんです。

シナリオライターをやっています。まだ一年目のペーペーです。

 

このシリーズでは私がプログラミングスクール『テックアカデミー・Unityコース』を受講した感想をお伝えしたいと思っています。

あくまでも私が見聞きした範囲の話になるので、フワッと参考になさるぐらいに留める方がいいかもしれません。

どうぞよろしくお願いします。

 


 

続・オリジナルゲーム制作

前回のメンターさんの進言通り、受講修了後もオリジナルゲームを作ることにした私。しかしながら現在に至るまで、チーム制作のために特定の集まりに参加することはありませんでした。

理由は以下の3点……

  • 実力不足の露呈が怖かったから
  • 田舎に住んでいたのでそういった集まりに参加できない
  • 本来の私の作りたいものに集中すべきだと思った。

 

ちなみに本来の私が作りたかったものとは、『テックアカデミー・Unityコース体験記⑩』で述べた『逆転裁判』のようなアドベンチャーゲームや、ファンタジーの世界観のRPGゲームです。

ゲームジャムなど期間内にチームでゲームを作る催しでは大体ミニゲーム的なものが作られるので、私の作りたいものには繋がらない思って参加しませんでした。

 

結局、自分の作りたいゲームを独力で制作するために、まずは簡単なアドベンチャーゲームとRPGゲームを手掛けることにしました。

そのために利用したサービスやツールが、

……です。

 

『宴』とはUnityのアセットの一つで、エクセルファイルでキャラクターの立ち絵とセリフを簡単に操作できるようになります。つまり、アドベンチャー機能を作り上げる手間がなくなるわけです。

プログラマーとしてそれはどうなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんがそんなことよりも早く、見栄えよく、自分のシナリオがゲームになるさまを見たかったのです。

 

『Udemy』はオンラインで受講できる学習サービスです。テックアカデミーみたいですが、数十万も支払う必要はなく、1コースあたり2,3万円~数千円で受講できるものばかりでとてもリーズナブルです。しかしコースといっても個人のエンジニアが副業のために制作したコースが主で、動画授業オンリー、簡単なチャット以外に連絡はとれずサポートも受けられません。でも、安かろう悪かろうではなく、自分に合った技術のみを選択して重点的に、そして安価に学べる良いサービスだと思います。

 

『ビックリカツのカッちゃん』

私はまず『宴』を習得するためにその公式の教本である『Unity & 宴「ノベルゲーム」開発入門』を読破しました。演習だらけの上にダウンロードコンテンツを含めると600ページ以上のボリュームがあったので、全てをこなすのに二か月程度要しました。

その結果出来たのがこのゲームです。

 

unityroom.com

このゲームでは、

  • 『宴』をマスターすること
  • 自分の脚本を使うこと
  • ゲームに合わない題材で作ること

を狙って制作しました。

『宴』を使うのは言わずもがな。シナリオはゲーム用に書き下ろすとどうしても2,3か月で制作が終わらなくなるので、制作時間が短く済むように通っていたシナリオ専門校で作った短編を流用しました。その脚本はホームドラマであり、あまりゲームに適した題材ではなかったのですが、私が本当に作りたいアドベンチャーゲームは『不登校と教師』をテーマとしたもので、そのようなゲームに合わない題材でもゲームとして面白く作れるかどうか試してみたかったため、あえてゲームに適さない題材を選択しようと思いました。

このゲームがおもしろいか面白くないかは、皆さんの判断にお任せいたします。

プレイ時間はエンディングまでおよそ20分ほどです。

よろしければご試遊ください。

 

『トレジャークエスト』

また私にはアドベンチャーゲームとは別に作りたいゲーム……90時代中盤頃のクオリティーのRPGを作りたいと思っておりました。

そのために『Udemy』にてターン制RPGの作り方のコースを受講し、それをもとにオリジナルゲームを制作しました。それがこちらの作品です。

 

unityroom.com

Udemyのコースで使用した素材の商用利用が可能だったのでほぼそのまま流用し、自身で様々な機能を追加して15分程度は遊べるRPGに仕立て上げました。

こちらもどうか試遊して頂ければ幸いです。

 

こうして、アドベンチャーゲームとRPGを作る力をつけることが出来ました。

あとはシナリオをこしらえて自分の作りたかったゲームを作るだけ。

そう意気込んでいた矢先でした。

 

「おめでとうございます! ゲームシナリオのコンペに合格しましたよ!」

「……えっ?」

 

実は私の通っているシナリオ専門校には、シナリオ制作の案件を紹介してくれるサービスがあり、あるゲームシナリオのコンペにて私が当選したのです!!

あくまでも一作限りの請負案件ではありますが、ともかく私はゲームシナリオライターとしてデビューすることが叶いました。

長い時間と労力をかけて、自身のシナリオでオリジナルゲームを作ろうと準備していたのですが、人生の目標の一つを達成できて、結果オーライです。

現在ではゲームシナリオの他、マンガ、音声作品問わず様々な案件を手掛けるフリーランスシナリオライターとしてなんとか頑張っています。

 

役に立たなかったのか?

では、シナリオライターになるためにテックアカデミーでUnityを勉強したこと、ゲーム制作をしていたことは全く無駄だったのでしょうか?

だって、ゲームシナリオの初仕事をゲットしたのはシナリオ専門校のサービスのおかげなのですから。

残念ながら実際のところそうなのかもしれません。

ゲームシナリオをお仕事をしているときにUnityを使ったことは一度もありません。まったく無用の長物です。Unityをインストールしたハイスペックパソコンは最近埃を被っています。

しかしながらUnityを勉強し、オリジナルゲームを作ったことが全く無駄だったかというと、そうとも言い切れません。

初めてゲームシナリオを請け負った際、契約のために某ゲーム会社に訪れた時のことです。

その時、採用担当者の方に、「なぜ私を選んでくださったのですか?」とお訪ねしたところ、

まずは、「資料をよく読み込む人だと思ったから」

そして次に、

「実はあなた以外にもう一人候補者がいた。その人は、本当は舞台の仕事をしたいという意向が強く、ゲームシナリオに合わないと考えた。あなたは自分自身でもゲームを制作しているようだったのでミスマッチにはならないと思った」

とおっしゃられました。

つまり私の作ったゲームの出来や内容はともかく、「自分でゲームを作るほどの熱意がある人なら採用してみよう」という気持ちになっていただけた要因としてUnityによるゲーム制作は役立ってくれたわけなのです。

膨大な労力をかけた割には最後のダメ押し程度の効果しかありませんでしたが、それでもゲームシナリオライターになれるキッカケを作ってくれて、少し報われた気分になりました。

現在はUnityを用いて自分のコンテンツを作ることからは離れてしまっていますが、もしかしたら気まぐれにまた制作しだすかもしれません。

その際はブログ等でアナウンスいたしますので、応援いただければ幸いです。

 

結論

……と、ここまで私のことに関してベラベラ書き連ねてまいりましたが、このブログを拝見してくださっている皆さんの関心はそんなところではないですよね。

結局のところ、『テックアカデミー・Unityコースは転職等に役立ってくれるのかどうか』だと思います。

ちなみに私は受講後にオリジナルゲームを制作している傍ら、ちょこちょこUnityを扱う求人等に応募しておりました。

結果はものの見事に惨敗。およそ50件ほど応募したにも関わらず、ほとんど面接の機会すらいただけませんでした。

前述した通り、当時の私は30過ぎ、高等学校卒業程度認定試験は受かっていると言えども最終学歴は高校中退で、しかも前職は製造業、現在は地方に在住とむちゃくちゃ毛並みが悪いというのもありますが、それにしても落ちすぎだろうと……

せめてスクリプターやデバッガー職でもいいから受かってほしかったです。

もしテックアカデミーUnityコースをこれから受講しようとしているあなたが、

  • 30歳以下
  • 大卒もしくは専門学校卒
  • IT企業やメディア関連の会社等を経験している
  • 東京もしくは大阪に住んでいる
  • 私の作ったもの以上におもしろいゲームを2,3本作ってポートフォリオに載せられる

……という条件をある程度満たしているのなら、テックアカデミー・Unityコースを受講した上でゲーム会社にエンジニアとして採用される可能性は幾分かあるかもしれません。

しかしながらその際、あなたと競争するのは大学・専門学校の新卒者、もしくは既に数年の経験を積んだ中途採用者であることを意識しなくてはなりません。

テックアカデミーに限らず大抵のプログラミングスクールにて受講を終えたとしても、企業の採用担当者はその経験を学歴や実績として見なしてはくれません。

未経験者として狭い採用に挑まねばならず、自身のこれまでのステータスとポートフォリオだけがモノをいうと。それをとことん磨き上げるしか勝ち目はないと念頭に置いてください。

 

結論として、

テックアカデミーUnityコースでは、コースの内容だけやっていてもゲーム会社でエンジニアとして転職できる確率は超レア! 

特にAAAタイトルや大人気ソシャゲのスタッフといったキラキラしたお仕事にいきなり就ける確率はほぼ0%!

というのが私の所感です。

その0%を、1年がかりでもいいから10%や20%に引き上げてみせる! 長期目線で学習と実績を積み重ねるつもりだ! もしくは単なる趣味として始めたい人だけ、費用対効果のあるコースであると申し上げておくことにいたします。

 

 

『テックアカデミー・Unityコース体験記』は以上で終わりです。

全16編に渡り、最後までご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。